2011年11月29日火曜日

『ハーマンミラーのグラフィックデザインの変遷と石巻復興プロジェクトでの取り組みについて』のセミナー


東京・丸の内のハーマンミラーストアで
『ハーマンミラーのグラフィックデザインの変遷と
石巻復興プロジェクトでの取り組みについて』の
セミナーに参加してきました。
(準備されていた椅子が「イームズ」で嬉しい♪)

「ハーマンミラー社」は、
『デザインとは問題を解決するためにある』という考えのもと、
「ジョージ・ネルソン」「チャールズ&レイ・イームズ」
「イサム・ノグチ」「アレキサンダー・ジラード」等、
優れたデザイナーたちの数々の名作を世に送り出した会社です。

今回のセミナーでは、スティーブ・フリックホルム氏
(本社のヴァイス・プレジデント兼クリエイティブディレクター)
から2週間の石巻復興プロジェクトでの活動報告、
3.11の震災後、企業としてどのような支援活動をしてきたか、
ハーマンミラーのグラフィックデザイン(主にロゴ)の
変遷についてもお話しいただきました。


震災から半年が経過した今、何ができるのかを考えた結果、
地域のものづくりのための場をつくる「石巻工房」の活動に賛同し、
石巻復興のために12名の社員有志によるボランティアチームを結成。
そして2週間石巻に滞在し、仮設住宅のための家具の製作と提供、
家具作りのワークショップ、カレンダーやポストカードの制作等、
被災地復興活動の支援を行ったそうです。

ハーマンミラーの「石巻工房プロジェクト」の被災地支援は、
ここでも『問題解決のためのデザインをすること』。
その場限りではなく「石巻工房」を法人化し、ひとつの事業として
やっていくのが最終的な目標だとお話しされていました。
そのために町工場並みの機材を提供し、商品として売れるもの、
欲しいと思われるものをつくり流通させていく。

「石巻工房」では今後も身の回りの家具を作ったり、
デザイナーが提案する小物を地域の方たちと製作する
ワークショップを開催していくそうです。

セミナー告知があるまで、ハーマンミラーが震災後の日本に
こんなに尽くしてくれていたことを知りませんでした。
本当に、改めて素晴らしい会社だと思いました!!!
「石巻工房プロジェクト」のような取り組みは、日本以外の国でも
災害が起こってしまった地域等で実施しているそうです。

一年前にオープンした丸の内のショップに今回初めて行きました。
ハーマンミラーで活躍したデザイナーも決して順風満帆ではなく、
様々な時を経て生み出された作品を観ると胸がいっぱいになります。
もし「ハーマンミラー社」がなかったら、
アメリカのモダンデザイン史も変わっていたかもしれない。
これらの活動も創業106年の歴史の中のほんの一部なのです。


ハーマンミラーについての詳しい紹介は、
渡辺力さんの『ハーマンミラー物語』(平凡社)がお勧めです。
ハーマンミラー物語 イームズはここから生まれた

●石巻工房HP Ishinomaki Laboratory
●ハーマンミラージャパンHP Herman Miller - Japan - Home Page
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