7月20日に「INDD 2012 Tokyo(InDesignユーザーの祭典)」が開催されました。ユーザー(有志の実行委員)主催のこのイベントは、大規模でありながら、今までになかったユーザー目線での工夫が凝らされたものでした。今回登壇されたスピーカーの方々は、書籍の出版もされていたりその分野に関しては特に見識のある方ばかりです。「InDesignトラック」と「電子書籍トラック」の二つの会場に分かれての開催でしたが、私は「InDesignトラック」に参加しました。
★INDD 2012 Tokyo(InDesignトラック)※敬称略
A-1:InDesignのスタイル機能を使い倒す
森 裕司(InDesignの勉強部屋)
A-2:美しい文字組みについて考える
(InDesign組版教室 出張版)
紺野 慎一(凸版印刷株式会社)
大石 十三夫(なんでやねんDTP)
宮地 知(大阪DTPの勉強部屋)
A-3:InDesign作業の時短に欠かせないスクリプトを活用
[DTPの勉強会(東京)出張版]
尾花 暁(あかつき@おばなのDTP稼業録)
竹内 亨(たけうちとおるのスクリプトノート)
丸山 邦朋(ものかの)
A-4:InDesign新機能(CS6/CS5.5/CS5)
大橋 幸二(DTPの壺ろぐ)
大倉 壽子(アドビ全製品を網羅しているスペシャリスト)
A-5:InDesignの出力に関する理想と現実
(PDF出力、本当に使えるの?)
笹川 純一(株式会社吉田印刷所)
柴田 勉(株式会社ノア・デジタル)
松久 剛(大日本スクリーン製造株式会社)
A-6:全員参加型!? 私のアナタの欲しい機能
小林 功二(株式会社マイナビ)
あかね(印刷会社勤務・ちくちく日記)
岩本 崇(アドビ システムズ株式会社)
すべてのセッションで共通しているのは、クオリティーが求められるのは当然として「効率」だと感じました。以前にも増してスピードが求められている今、InDesignが持つ機能を巧く使いこなし、「早急に、なおかつ完璧に出力し納品まで行うこと」は不可欠です。
参考になるポイントは人それぞれだと思いますが、私が最も参考になったのは、セッションA-5「InDesignの出力に関する理想と現実(PDF出力、本当に使えるの?)」でした。
「PDF出力」は、印刷所内での最小限の行程で印刷まで行うことができる、言わば人の手を介さない究極の入稿システムです。
ただ、PDF出力用の完璧なデータ制作が条件になりますので、デザイナーやDTPオペレーターのその為の理解は必要最低の条件となります。また、印刷会社の体制整備も必要ですので、すべての条件面においてまだまだ一般的ではないという感も否めませんが、今後増えていくのではないかと思っています。
今回は、PDF書き出しプリセット(PDF/X-1a、PDF/X-3、PDF/X-4)の差異や、透明とオーバープリントの扱いなどについても学びました。今までそうするものだと思っていたことが「なぜそうしなければならないか」という理解に変わるのは楽しいものです。
今回紹介された機能や方法ををすべて使いこなせたら最強ですが、それぞれの仕事や環境に合わせて、少しづつでも上手く取り入れていきたいですね。