2012年4月19日木曜日

『TDC展 2012』鑑賞。














gggで開催されている『TDC展 2012』を観てきました。
「TDC展 」は、東京タイプディレクターズクラブ
(東京TDC)が主催するデザインコンペ「東京TDC賞 」を
受賞した作品の展覧会です。

今年は特にクオリティーが高いとの評判通り、
展示されている作品のすべてがとても素晴らしいものでした。
とりわけ、グランプリを受賞した「Comedy Carpet」の
アイデアと完成度、RGB賞の「口ロロ(クチロロ)『CD』」の
一連のアートワークには、目を見張るものがありました。

【グランプリ】
★Why Not Associates+Gordon Young(イギリス)
 トライアル「Comedy Carpet」(CL. Blackpool Council)

【TDC賞】
★M/M(Paris)(フランス)
CDジャケット、ブック、アプリケーション
 「björk : Biophilia」(CL. björk)
 björk: moon - YouTube‬
★川村真司+清水幹太+Saqoosha+森本友理
 MV「androp music video “Bell”」
 (CL. 株式会社ワーナーミュージック・ジャパン) 
★Martin Borst(ドイツ)
 タイプデザイン「Mondra」
★大日本印刷秀英体開発室
 タイプデザイン「秀英体 平成の大改刻」

【特別賞】
★祖父江 慎+吉岡秀典
 ブックデザイン『きのこ文学名作選』(CL. 港の人)

【RGB賞】
★いすたえこ+伊藤ガビン+林洋介+宮本拓馬
 特設サイト+CDジャケット「口ロロ(クチロロ)『CD』」
 (CL. commmons)
 口ロロ(クチロロ)/あたらしいたましい feat. 金田朋子 - YouTube

【ブックデザイン賞】
★Alexander Gelman(アメリカ)
 『Sequencer Books』(CL. Sequencer)

【タイプデザイン賞】
★Underware(オランダ)
 「Mr Porter custom typeface」(CL. Mr Porter)

●受賞作品の詳細は、こちらのサイトにあります。
 これ、誰がデザインしたの? : TDC展 2012

●グランプリを受賞したタイポグラフィのアートワーク
 「Comedy Carpet」の小冊子はこちらで見られます。
 これ、誰がデザインしたの? : Comedy Carpet

『TDC展 2012』展は、4/25日に終了しました。
 ギンザ・グラフィック・ギャラリー:展覧会アーカイブ
 ギンザ・グラフィック・ギャラリー

2012年3月24日土曜日

『ロトチェンコ 彗星のごとく、ロシア・アヴァンギャルドの寵児』展について。


gggで開催されている『ロトチェンコ 彗星のごとく、
ロシア・アヴァンギャルドの寵児』展を観てきました。

アレクサンドル・ロトチェンコは、
ロシア構成主義の創始者の一人であり、
ロシア・アヴァンギャルド芸術家の中でも際立った存在です。

彼の活動は、絵画、グラフィック、写真だけではなく、
立体、建築、インテリア、家具など、広範囲に及びました。

1922年からは、グラフィックに傾注し、
未来派の代表的詩人、ウラジーミル・マヤコフスキーと共に
50点程のポスター、100点程の看板や広告塔、その他雑誌、
新聞、パッケージ、広告などをデザインしています。

そして1924年からは本格的に写真表現を模索し、
「遠近短縮法」「上から下へ」「下から上へ」と言われる
極端な視点からの撮影など、多くの実験を繰り返しました。

私がロトチェンコに惹かれるのは、多くの作品はもちろん、
その活動のどれもが実験精神に溢れ、挑戦の連続だったことと
制作方法に、グラフィックの原点を見ることができるからです。

その中でも、構成主義のグラフィックデザインの特徴のひとつ
「フォトモンタージュ」は、それまでのデザインのやり方に
大きな変革をもたらし、大きく前進しました。

「グリッド・レイアウト」を用いた彼のコンポジションは、
構成の幾何学的図式とレイアウトに従い考え抜かれたもので、
今でも廃れていない技法のひとつです。

ポスターなどでは、マヤコフスキーの強烈なコピーが加わり、
広告を見た人に衝撃を与え、記憶に残すことにも成功しました。

この年代のポスターは手描きで、随所に苦心の跡が見られます。
今ではコンピュータとソフトで簡単に制作できそうなものでも、
それには到底かなわない何かを感じることもできました。

 
今回の展覧会の展示内容に加えて、
副監修の矢萩喜從郎さんによる会場構成やポスター、
カタログなどの一連のデザインも非常に優れたものでした。

●展示会場の様子は、こちらのサイトにあります。
 【ggg】ロトチェンコ展会場写真アップしました。

●ギャラリートークのアーカイブはこちらです。
 USTREAM: gggロトチェンコ展 ギャラリートーク矢萩喜從郎

『ロトチェンコ 彗星のごとく、
ロシア・アヴァンギャルドの寵児』展は、3/27日に終了しました。
ギンザ・グラフィック・ギャラリー

2012年3月3日土曜日

心が躍る世界へ:『ジャン=ミシェル オトニエル:マイ ウェイ』展を鑑賞。


原美術館で開催されている
『ジャン=ミシェル オトニエル:
 マイ ウェイ』展を観てきました。

フランスを代表する現代美術作家
オトニエルの個展は、日本では今回が初めてで、
パリ→ソウル→東京→ニューヨークと巡回しています。
最初のパリでは、20万人もの人が訪れました。

展示作品のいくつかをネットで見ていましたが、
実際に目にすると印象はまるで異なりました。
観る場所や角度、自然光の入り方によって、
様々な質感や色彩、フォルムに変化するのです。

これは会場に行かなければ
体感することができない展覧会です。

実物の作品が持つ圧倒的な存在感と輝き、
そして美しさに、とにかく魅了されました!!!
刺激を受け、心が躍る展覧会は久しぶりの体験です。

初期の、布、硫黄、樹脂などを使った作品から
最新のムラーノガラスを使った作品まで
彼が歩んだ25年の奇跡を感じることもできました。

オトニエルの作品には
生と死、自由と苦悩、美と官能など、
様々な概念があるそうです。

初期の作品では、心の傷や苦悩を現す
エモーショナルな作品を制作していました。
そして90年代半ばのガラスとの出会いで、
夢や幸福感など、新たな世界へと広がっていきます。

また、この会場が今回の展示にぴったりで、
午後の光が差し込む館内とそれを映す作品は、
とても幻想的なスペースになっていました。

会場は、多少の注意書きはあるものの
撮影OKなので、わたしも撮影してみました。

 
左:「マイ ウェイ(My Way)」2010年
   ムラーノガラス、アルミニウム留具
右:「グローリー ホールズ(Glory Holes)」
   1995年 布に刺繍

 
「私のベッド(Mon Lit)」2002年
 ムラーノガラス、アルミニウム、飾りひも、フェルト

 
左:「自立する大きな結び目
  (Le Grand Nœud Autoporté)」2011年 ガラス、金属
右:「黒い心、赤い涙(Black Heart, Red Tears)」
   2007年 ビーズ、ガラス

 
屋外にも作品が展示されています。

 
「涙(Lagrimas)」2002年 ガラス、水、テーブル

 
「ラカンの大きな結び目(La Grand Double
 Nœud de Lacan)」2011年 鏡面ガラス、金属


こちらは美術館併設のカフェ
(カフェ ダール)にある「イメージケーキ」。
ハラミュージアム アーク(群馬県渋川市)の作品
「Kokoro」がモチーフなのかと思われます。

心が躍る展覧会『ジャン=ミシェル オトニエル:
マイ ウェイ』展は、3月11日(日)まで。
Hara Museum Web

2012年2月22日水曜日

正義と云う名の病:『J・エドガー』を観た。


クリント・イーストウッド監督最新作
『J・エドガー』を観てきました。

これはFBIを作り上げた、FBI初代長官の
J・エドガー・フーバーについての映画です。
彼はアメリカ大統領でさえ及ばない権力を持ち、
48年もの間、国を裏で動かしていました。

この作品では、彼のパブリックな部分より
プライベートに焦点を当て、
英雄であるよりも謎に満ちた内面の方を
中心に描いています。

だから観客は自分自身で
それを解釈しなければなりません。

アメリカ人であれば自然に理解できそうな事も、
日本人である自分には解りにくい部分もあり、
難しい映画でした。

私はイーストウッドが
「なぜ今この題材に興味を持ったのか」
ということがとても気になります。

「観客が自分たちが思うように解釈すればいい」
とイーストウッドは言っていましたが、
すべての表現は少なからず時代を反映しています。

斎藤環さん(精神科医)のレビューには、

「彼の複雑さはアメリカの複雑さであり、
その病理の一部は、現在もなお受け継がれている。
イーストウッドは、一人の男の生涯を通じて
『アメリカそのもの』を描こうとしたのだ」

と記されてありました。
(このレビューに少しヒントをもらった気が…。)

テレビは頭を休めるためにありますが、
映画は観客に問いかけるメディアです。
つまり、本作は真に映画作品です。

J・エドガー - オフィシャルサイト
J・エドガー - goo 映画

2012年1月19日木曜日

「没後150年 歌川国芳展」の魅力


森アーツセンターギャラリーにて
2011年12月17日~2012年2月12日まで開催されている
『没後150年 歌川国芳展』に行ってきました。

この展示は前期と後期の二部構成に分かれており
ほとんどの作品が入れ替わる、過去最大規模の展覧会です。
(図録には、前・後期の作品421点がすべて掲載されている。)

前期もかなり良い絵が展示されていたので行けなくて残念だけど、
19日からは後期の展示。それでも新発見の「きん魚づくし」もあり、
後期だけとはいえ、充実の作品群に大きな刺激を得られました。

会場構成は、様々なジャンルに分類されていてとても見やすいです。
武者絵、説話、役者絵、美人画、子ども絵、風景画、摺物と動物画、
戯画、風俗・娯楽・情報、肉筆画・板木・版本ほか、の全10章。

だから特別アートに興味の無い方でもこういった主催者側の配慮と、
ユーモラスかつ圧倒的な作品の力によって充分楽しめる内容です。
(どのスペースも、説明文がとてもわかりやすいのも良かった。)

ゴッホをはじめ西洋の画家が浮世絵に影響を受けたのは有名だけど、
国芳もまた西洋の絵画から影響を受けて制作したものがありました。
元になる風景画の複写と作品は、貴重な資料に触れられる機会です!

国芳の魅力は、ユニークなモチーフの選定とそれを使った構成力、
ユーモラスな表情やアイディア、テキスト周りの装飾や配置、
グラデーションも用いた粋な配色、大胆な構図等、枚挙に遑がない。

これを使うか! これをこう描くか! これをこう表現するか!
時に国芳の仕掛けたユーモアにクスッと笑わされてしまうこともあり
どの絵を観ていても、もうとにかく感嘆の連続でした。

観終わたった後は、しばらく放心状態ですぐには帰れなかったほど。
なんかすごいもの観ちゃったなっていう。スゴ過ぎるよ歌川国芳!
ものづくりに関わる人は、観ておいた方が良い展覧会です!!!


「没後150年 歌川国芳展」は、2/12(日)まで。
没後150年 歌川国芳展

没後150年 歌川国芳展 -幕末の奇才浮世絵師- | フクヘン。- 元 雑誌BRUTUS(ブルータス)副編集長、鈴木芳雄のブログ
坂井直樹の”デザインの深読み”: 今の政府と同じで財政が困窮した江戸当時、疲弊した大衆の心を打ち破るようなパワフルで反体制な絵を描き大受けしたのが国芳でした。

2012年1月2日月曜日

2012年 箱根駅伝のポスターについて


年末の打ち合わせの帰り、
渋谷駅に貼られていた『箱根駅伝』のポスターが、
あまりにも奇麗だったので見入ってしまいました。

「金」の上に「スミ文字」の重ねがとても美しく、
デザインもだけど、印刷の技術も素晴らしかったのです。
重なった部分の色も絶妙で、これはかなり難しいのでは!
日本の印刷技術ってスゴイなと再確認した瞬間でした。

 
Twitterでそのことについてツイートしたところ、
日本テレビのアートディレクターの方にRTしていただき
この「金」がこのために金羊社(印刷会社)で新開発された
シルクポスター用インク「HAKONE GOLD」なのだと
いうことがわかりました。

このポスターのために新開発されたインク、
実物の「HAKONE GOLD」は本当に美しかったです。
デザイナーと印刷会社、努力と協力の賜物ですね☆



グラフィックデザイン:DESIGN+SLIM





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2014年 第90回『箱根駅伝』ポスターの記事はこちら

箱根駅伝公式Webサイト
第88回箱根駅伝|日本テレビ
株式会社金羊社

2012年1月1日日曜日

2012年を迎えて


年末に「有賀糖」をいただきました。
良いネーミング♪

昨年は本当にいろいろあったけど、
新年を迎えた今、感謝の気持ちでいっぱいです☆

旧年中は、ありがとうございました!
本年もどうぞよろしくお願いいたします!!!

2011年は悲しいニュースが多く、
厳しい一年だったと感じております。

「あけましておめでとうございます」とは
なかなか言いづらい状況ではありますが、、、

新しい年が良い一年になりますよう、
皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます☆



追伸:
元旦からすごい揺れでびっくりしました。。。
新年早々気を引き締めていかなければならないですね。