2012年1月19日木曜日

「没後150年 歌川国芳展」の魅力


森アーツセンターギャラリーにて
2011年12月17日~2012年2月12日まで開催されている
『没後150年 歌川国芳展』に行ってきました。

この展示は前期と後期の二部構成に分かれており
ほとんどの作品が入れ替わる、過去最大規模の展覧会です。
(図録には、前・後期の作品421点がすべて掲載されている。)

前期もかなり良い絵が展示されていたので行けなくて残念だけど、
19日からは後期の展示。それでも新発見の「きん魚づくし」もあり、
後期だけとはいえ、充実の作品群に大きな刺激を得られました。

会場構成は、様々なジャンルに分類されていてとても見やすいです。
武者絵、説話、役者絵、美人画、子ども絵、風景画、摺物と動物画、
戯画、風俗・娯楽・情報、肉筆画・板木・版本ほか、の全10章。

だから特別アートに興味の無い方でもこういった主催者側の配慮と、
ユーモラスかつ圧倒的な作品の力によって充分楽しめる内容です。
(どのスペースも、説明文がとてもわかりやすいのも良かった。)

ゴッホをはじめ西洋の画家が浮世絵に影響を受けたのは有名だけど、
国芳もまた西洋の絵画から影響を受けて制作したものがありました。
元になる風景画の複写と作品は、貴重な資料に触れられる機会です!

国芳の魅力は、ユニークなモチーフの選定とそれを使った構成力、
ユーモラスな表情やアイディア、テキスト周りの装飾や配置、
グラデーションも用いた粋な配色、大胆な構図等、枚挙に遑がない。

これを使うか! これをこう描くか! これをこう表現するか!
時に国芳の仕掛けたユーモアにクスッと笑わされてしまうこともあり
どの絵を観ていても、もうとにかく感嘆の連続でした。

観終わたった後は、しばらく放心状態ですぐには帰れなかったほど。
なんかすごいもの観ちゃったなっていう。スゴ過ぎるよ歌川国芳!
ものづくりに関わる人は、観ておいた方が良い展覧会です!!!


「没後150年 歌川国芳展」は、2/12(日)まで。
没後150年 歌川国芳展

没後150年 歌川国芳展 -幕末の奇才浮世絵師- | フクヘン。- 元 雑誌BRUTUS(ブルータス)副編集長、鈴木芳雄のブログ
坂井直樹の”デザインの深読み”: 今の政府と同じで財政が困窮した江戸当時、疲弊した大衆の心を打ち破るようなパワフルで反体制な絵を描き大受けしたのが国芳でした。