『DTPの勉強会 第11回』に参加してきました。
今回のテーマは「DTPerのための画像補正入門&Tips集」です。
☆スピーカー
株式会社 テイク・フォト・システムズ 代表取締役。
印刷会社デザイナーを経て、現在は消費財メーカーにて
自社製品の通信販売に関する企画制作業務全般を担当。
自社製品の通信販売に関する企画制作業務全般を担当。
勉強会スタッフ。フリーランスのレタッチャー。blog:やもめも
★DTPerのための画像補正入門&Tips集
1. 絶対知ってほしい色調補正のルール(藤本 圭)
2. DTPerのための、すぐに役に立つPhotoshopTips集
■ 藤本 圭 TIPs集
01. ブラシサイズコントロールにフィジカルコントローラーの活用
02. 使い道が全くないTips
03. べた塗りカラーで簡単にカラー効果をかける
04. 画像を白黒にする
05. グレイッシュに仕上げる
06. カラー情報と濃度情報を分けて色調補正
07. shit+ +キーでレイヤー描画モードを変えて効果を比べる
08. 表示部分をスタンプ&現在の画像から新規ファイルを作る
09. 美しく流れる髪の毛を描画する
10. 理想的な顔の形を調べる
11. ワークスペースを保存する
12. メモリの容量と画面の表示速度を設定する
13. 明るさの最大値フィルターで夜景を幻想的に(CC新機能)
■ 浅野 桜 TIPs集
01. 環境設定(1)フリックパン/ダークUI
02. 環境設定(2)レイヤー周り/「~のコピー」とつけない
03. 数値入力で正確な位置にガイドを一発で引く
04. マウスを使わずブラシサイズやカラーを変更する
05. シェイプやブラシのプリセットを整理して日常作業を効率化
06. グラデーションツールだけで集中線を描く
07. グラデーションマップとレイヤーで効率よく色変換
08. レイヤースタイルの「ブレンド条件」でラフでの切り抜きを省略
09. スキントーン選択で女性の肌を一気になめらかに
10. 混合ブラシツールでなぞるだけ。簡単ファンデで毛穴レス
11.「Photomerge」を使ってパノラマ写真を作る
12. CCの新機能、Camera RAWフィルタ
13. Photoshop上で生成したオブジェクトがボケないようにする
14. 便利になったシェイプ&ストロークオプション
15. 新しい切り抜きツールで修正しやすいデータを作る
16. 画像を切り抜きながら傾きも同時に補正する
17.「コンテンツに応じた拡大・縮小」で足りない部分をサクッと補う
18.「フィールドぼかし」で選択範囲を作らずにまとめてぼかす
19. フェードの活用で微調整も時間短縮
20. 直しに強いスマートオブジェクト
21. ベクトルスマートオブジェクト
22. レイヤーグループ全体にレイヤースタイルがかけられる
23. 画像アセット機能でスライスから一歩進んだ画像書き出し
■ 村上 良日 TIPs集
01. Bridge使ってますか!!
02. 素早い操作のためにショートカットを編集しよう
( 1. ショートカットを削る&足す)
03. 素早い操作のためにショートカットを編集しよう
( 2. トーンカーブをショートカットキーで素早く繊細に)
04. 素早い操作のためにショートカットを編集しよう
( 3. チャンネル読み込みのショートカットで繊細な色補正)
05. 補正の役に立つレイヤー効果の使い方
06. CCの腐った解像度パネルを使わずに解像度変更
07. 総インキ量(TAC値)をプレビューしながら調整する
『画像補正入門&Tips集』では上記のように、かなりの数のTipsを紹介されました。スピーカー3名の方の「業務内容の違い」からくる「アプローチの違い」が、良い具合にコントラストになっていて、とても印象深い勉強会となりました。
・藤本さんは、ブライダル関係のクオリティ高い写真を扱う事が多く、ある程度の「時間をかけて最高の仕上がりを目指す」というもの。
・浅野さんは、印刷やウェブなど、あらゆるものに素早く対応する必要があるので「流用と修正に強く、時短で仕上げる」というもの。
・村上さんは、写真撮影と印刷全般に精通しているので、「撮影と印刷を踏まえた上で、各種レタッチを行う」というもの。
いずれのケースも求められる条件が明解です。これもスピーカーの方々がクライアントの要望を適確に把握しているからでしょう。技術的な事を言えば、補正ひとつをとってみても状況や要望に応じて様々なやり方があり、そこが面白いところです。
また、実物に近い「正しい画像」と「理想の画像」は違うこと、補正にはこれといった正解がないことをきちんと認識した上で、最終的にどのように仕上げるのか、という「目的を明確にする」必要性を改めて強く感じました。
印刷やウェブなど、それぞれのアプローチがある中でも共通しているのは、質問の中で藤本さんが回答されていた「絶対評価ではなく、相対評価。」「どちらに転んでも大丈夫なデータ制作。」というものです。このさじ加減とバランスが一番難しいところかもしれません。
現在はカメラマンだけでなく、デザイナーやオペレーターが画像の補正をする機会が多々あります。デジカメの普及により、素人が撮影した画像を補正し、使用することも増えてきました。デザインやDTPにおいて、画像補正は益々重要なものとなっています。
また、写真を扱う様々なソフトの機能も向上しました。以前はかなり時間を要した作業も、あっという間にできてしまうものがいくつもあります。このように定期的に新機能を確認したり、やり方を見直してみるのに、今回の勉強会はとても有意義なものとなりました。
そしてそれらすべての出発点は、クライアントの言葉に丁寧に耳を傾ける事であり、技術は求められる要望を最良のカタチにするためのツールである事は言うまでもありません。便利なTipsを覚えて身に付ける事は、それ自体が仕事のクオリティーを自然と上げてくれます。
今回の勉強会でスピーカーの方々が惜しげもなく公開されたTipsのその先に、私はスピーカーの方とクライアントの親密なコミュニケーションや、追い求めた仕事の理想像に思いを巡らせずにはいられません。
下記2冊の書籍は最近読んだものですが、とても参考になったのでご紹介です。以前は数ページにも渡って紹介されていたようなテクニックが、今は見開き程度の分量になっていて、役立つのと同時に感動も覚えました。
今回のスピーカー・浅野さん共著の『神速Photoshop グラフィックデザイン編』(浅野桜・石嶋未来・加藤才智・服部紗和・ハマダナヲミ 著/アスキー・メディアワークス)です。新機能の紹介をはじめ、103の時短テクニックが掲載されています。 |
●DTPの勉強会【DTPの勉強会第11回】(2013年10月12日開催)
前回参加した『DTPの勉強会』の記事はこちら
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