東京国立近代美術館本館で開催されている
『生誕100年 ジャクソン・ポロック』展を観てきました。
今回が、ポロックの日本初となる回顧展です。
ポロックといえば、抽象表現主義の代表的な画家で
流動性の塗料を画面に流し込むポーリング(pouring)の
技法を使用し、中心、地、図、の区別もない、
オールオーバー(allover)な構成で制作していました。
彼のポーリングは、
・ネイティブアメリカンの砂絵
・ダビッド・アルファロ・シケイロスの実験工房
・シュルレアリスムのオートマティスム(自動筆記)
という主に3つの要素で成立しています。
今回の展覧会は、彼の“生涯”と“作品”を感じることができる
滅多に観ることのできない充実の内容になっていました。
ポーリングの作品をはじめ、各国から集められた作品群、
展示の目玉である『インディアンレッドの地の壁画』は、
観客を圧倒します。
ポロックが美術を学び始めてから
44歳で亡くなるまで、その間わずか29年でした。
その上、アルコール依存症や精神分析の治療を受けていたり
描けない時期もあったりで、創作期間は長くはありません。
あらゆるプレッシャーや、アルコール依存症の再発等で
様々な手法を模索していた時期の作品を観ると、
そのすべてと凝縮された人生が伝わってくるようで
時に息苦しさを覚えるほどです。
重要な項目を年表にしてみました。
★「ジャクソン・ポロック」簡略年表
1912年 米国ワイオミング州コディ生まれる。
1927年 この頃飲酒を始める。
1928年 美術の基礎を学び始める。
1930年 NYに移り、
「アート・スチューデンツ・リーグ」で学ぶ。
「アート・スチューデンツ・リーグ」で学ぶ。
1933年 ディエゴ・リベラがNYで壁画制作する姿を観る。
1937年 精神科でアルコール依存症の治療を受け始める。
1942年~ ポーリングの技法を用い始める。
1944年 初の美術館(MoMA)からの買い上げ。
1954年~ ほとんど制作しなくなる(できなくなる)。
1955年 再び精神分析治療を始める。
1956年 8月11日、飲酒運転で交通事故死。享年44歳。
美術関連の年表に「この頃飲酒を始める」とあるのは、
彼の創作に、お酒の影響は切っても切れないものなの
だからでしょう。
だからでしょう。
・デュポン社のデュコ(ラッカー)、
・デヴォー&レイノルズ社のエナメル塗料、
・ピッツバーグ社のエナメル塗料、
・ピッツバーグ社のアルミニウム塗料、
・デヴォー&レイノルズ社の塗料(種類不明)
『生誕100年 ジャクソン・ポロック展』は、
5月6日(日)まで開催されています。
5月6日(日)まで開催されています。